1度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで


雨が降ってると思い出す
だけど晴れてたら思い出さない
雨が降ればまた思い出す
その繰り返しの日々が今頃の季節から始まって夏になる

あの時あの人と過ごした日々が滲んでいて
別れる時はふやけていた
そんな思い出が蒸発しかけてるのに
されど繰り返すこの季節

あの時の会話を思い出す
でも何を話したかは覚えてない
けれど話した事は覚えてる
口だけ動いている君の映像だけ思い出す

暑い日の時雨のことを思い出す

蝉が鳴き止むのを覚えてる
雨が降れば、止まった夏が
自分達の時間を進めたんだ

蝉が鳴き始めたのを覚えてる
雨が上がれば、夏が動き出して
自分達の時間を止めたんだ

君が蝉時雨だと言った
素敵な言葉だとその時は思った

最後に聞きたくなった
いつもそうやってやってきたのかい?
聞きたくなった。
雨が止んだから聞かなかった。

そうやって過ぎた季節にさようなら
これからの来る季節にこんにちは

別れを告げてるのにまたやってくる
この季節は意地悪なんだ

別に雨が嫌いな訳じゃない

すごく刹那的な時間に感じた
長い間降ってた雨に蝉の声が終わりを告げて

大切なことはいつも忘れる
だけど思い出す
君との思い出が
滲んで、ふやけて、蒸発して、見えなくなっても

大切なことはいつもわすれる
されど思い出す
思い出せないだけで

そんな季節にさようなら
そんな季節にこんにちは

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